?内航コンテナ船によるコンテナ単体輸送方式
この方式は、フィーダー輸送に従事している内航コンテナ船に短距離コンテナ輸送を行わせようとするものであり、具体的にはトラック事業者が岸壁までコンテナを輸送し、コンテナだけを内航コンテナ船へ積込み海上輪送し、着港から仕向け地まで再びトラック事業者が輸送するものである。この方式の場合は現在運航中の内航コンテナ船とその荷役体制をそのまま利用できるので、フェリー方式に比べて新たな船舶の配船の必要がないというメリットがある。
図6−9 内航コンテナ船(外貿コンテナフィーダー輸送実施船舶を利用)による方式
しかしながら、この方式をトラック事業者が荷主となって利用する場合は、コスト、所要時間等の面で必要条件を満たさない。
トラック事業者においても、輸送需要が多くドライバーやシャーシが不足するような状況であれば、海上輪送への委託によってドライバーやシャーシに余裕が生じ、それを別の輸送へ充当することにより輸送量を多くし、売上を拡大できるというメリットが生じるが、現在では事業者の輸送能力と比べてコンテナの輸送需要はそれほど多くないためこのようなメリットは生じず、トラック事業者が利用者である場合は現段階では実現が非常にむずかしいと考えられる。
一方、トラック事業者以外の荷主が直接内航船社に輸送依頼し、陸上輪送をトラック事業者に依頼する場合はコスト面においてはトラックの基準運賃との比較では対抗し得るが、実勢運賃を勘案すると劣ると思われ、更に所要時間、利便性の面では陸送に劣ることになり、現段階での実現性は困難と言わざるを得ない。
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